2009年03月30日
宇宙での自立
新天地とはまず母国からの助けを必要とします。ですがいずれそれは破綻するでしょう。
開拓民は自立の道を自発的か否かをとわず、自活できるか否かをとわずに選ばざるを得ないことになりかねません。
今回は宇宙開拓から発生する自立意識について考えてみます。
①社会
宇宙開発とは高度な技術と莫大な金額が流動します。そこに確実性や安全性が盛り込まれるはずなのですが、例を挙げるとアポロ計画では直前まで乗員の安全性が検証しきれないまま人間の宇宙飛行が行われ、またソ連でも国が消滅してしまうという超緊急事態により宇宙ステーションの人間が帰還できずに計画よりもはるかに長い時間を宇宙で過ごすことになりました。
乱暴に言いますと宇宙開発に「有人」の言葉がある限り危険性が存在しているということです。
いくら先進的な技術であっても宇宙開発に莫大な費用がかかるとその技術活用や計画進行優先の方針が先行してしまうことで安全性がおいていかれるということもあります。
スペースシャトルでは何度も予算が削減され、そのなかで「製造すればそのまま使用可能」という指針のため打ち上げ費用も削減するべく打ち上げ回数を上げなければいけなくなり、品質管理が甘くなっていきます。その結果、部品が燃焼に耐えられなくなったため噴射炎が本体に襲いかかったり大気圏突入中に高温の炎が欠損してしまっていた防熱板のところから入り込んでしまったりと悲惨な件が起こっているのです。
スペースシャトルは莫大な維持費のなかで運用されていますが、それでも足りないために数多い打ち上げの中で2度の致命的事故が発生したのです。
宇宙計画は予算があっても足りない現状があるのでしょう。技術が向上してもそれを実現するのにお金がかかるだけ実現は難しくなり、安全策などが「余分な部分」と見られてしまいかねません。
もしこのようなことが宇宙移民において露骨に行われたとすれば、社会的な不安から非合法的な行動が発生するでしょう。
空気などの生命線を確保するためや宇宙放射線の防護策、老朽化設備を一新せよとの意見も生まれるかもしれません。
②どういう行動が考えられるか。
宇宙移民が自らの安全を向上さえる要求は地球並みの安全が確保されるまで続くでしょう。放射線量の低下や水資源の確保、濃度が高い空気などが主な要求と考えられます。
しかし、それらを国や企業が確保できないあるいはしない場合、移民たちが過激な行動にでることはあるでしょうか。
まず移民たちが行わなければいけないのは生活設備を自前で管理下におくことです。非移民側企業や地球国家に生命線を握られればまず要求を呑むほかありません。そうでなければさりげなく「設備の不調」が起きかねないためです。
生活設備の管理を行ったのちはその生活設備を破壊から守ることが急務になります。
移民が移民地の治外法権を求めても武力で黙殺されるという被害妄想的にも思える思考が現実味を帯びるためです。現に相互破壊保障という核抑止力は「敵はたとえ攻撃しても自国を完全に破壊できる可能性をもつほどの能力を持っている」という思考が相互の国にあるため成り立っているものであり、それが20世紀後半の情勢に深く入り込んでいました。
宇宙移民とは基本的に生活設備が存続させなければいけないという条件がある限り攻撃されれば脆弱であり、一歩も自前の生活圏に近づけさせられないという考えを持つでしょう。
つまり一度生活圏に直接攻撃を許せば完全に生命線が破綻するでしょうし、宇宙では一方的な相互破壊保障が成立してしまうのです。
宇宙は人間に敵対的であり、人類にとって地球は唯一の適合する場所のはずでした。
ですが人間は自然という体制になじむにはあまりに異質な存在になりました。
人類の特性ともいえる知性はすでに霊長類の一部を除けば他生物とかけ離れてしまい、自然環境すらも改造しようと動いています。
しかしそれは人間の狭い行動範囲内でのことであり、さらにいえば地球の表面の一部にしか住めない状況をさらに改造していき、そこで生まれた歪は人類には負担の大きいものになりました。
そして宇宙開発が始まり、開拓も始まるとなればどのような歪が生じるのか狭い生活圏をじかに襲い掛かるか、または宇宙の広大さが人類の作っている人類自身にとっての有害さなど飲み込んでしまうのか、それはまだはっきりしません。
人類は宇宙でいかにして生き抜くのか、その答えのひとつに地球からの自立があるのかも知れません。
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- by hoshik
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