2009年03月19日
第2回 宇宙戦闘艦の設計 (核動力の有利性)
第2回目です。今回は宇宙航行における核動力の利点や問題点などに触れて生きたいと思います。
まず、核動力とは核融合、核分裂の反応熱を使って推進剤を噴射するという構造と前置きしておきます。
現用ロケットの推進力は主に燃焼熱です。極端な話、灯油ストーブと同じで灯油と酸素を混ぜ合わせて一気に噴射させると言う構造です。
これによって噴射剤の反作用を受け、反動でロケットが飛んでいくわけですね。
①化学反応推進では噴射速度に限界がある
スペースシャトルに使われている主エンジン「SSME」は液体の酸素と同じく液体の水素を使用して現用ロケットエンジンとしては最高の性能があるといわれています。その根拠である燃料噴射速度は秒速4kmを真空中でたたき出します。
しかし前述のようにロケットエンジンとは熱により噴射速度が左右されます。水素-酸素の反応では熱反応の効率は極端に低く、どうがんばっても秒速4kmより高い噴射速度をもつ化学燃料ロケットエンジンは作りえないのです。
②核動力の利点
これに比べると、核動力は、熱の発生から始まり、その熱を推進剤に伝えて噴射すると言う間接的推進方法をとっています。
ですがその熱効率は化学燃料を数桁ほど上回り、発生熱は核分裂反応では最高で1万度を、核融合では10億度を突破します。
さらに噴射剤の量を調整することで推進力を調節する構造にもできるため、急な加速や減速を可能とします。スペースシャトルでやっと推進力にスロットルがついたところなので、これは化学反応で発生した残留物を噴射する現用のロケットエンジンでは難しいことなのです。
さらにいえば、核動力となれば推進剤・燃料の大幅な高効率化ができるという点もあります。つまり同じ量の燃料・推進剤でも化学推進と核推進では動力飛行ができる時間が大幅に違ってくるのです。
③核動力の問題点
ではなぜいままで核動力の宇宙船が作られなかったのでしょう。
それはまず核を宇宙で使用できないという規定が50年代の世界に設けられたためでもありますが、まず「熱制御」の問題があるとされます。
チェルノブイリ原発事故における原因の1つに核動力の「空焚き」にあったと言われます。つまり核動力は十分な熱放射がなければとんでもないエネルギー開放が行われてしまうのです。
宇宙核ロケットでは推進剤が熱放射の役割を担うことになるのでしょうが、もし核のみを使用して噴射を行わなかった場合、宇宙空間で爆発することにもつながりかねません。
いざというときのアイドリング時の熱問題の解決が待たれるところです。現在の核動力ではいったん炉を止めると再起動に莫大な労力がかかります。燃料棒のチェックやその燃料棒をひとつずつゆっくり慎重に炉に差し込んでいくのです。
第2はその熱の大きさに耐えうる構造がほぼないことが上げられます。核融合炉での必要な熱量は10億度。これがまずなければ核融合が起こされません。ですが10億度に触れて耐えうる材料はありません。蒸発します。
現代では超伝導で発生させた磁場を使って熱源であるプラズマを押さえ込もうと考案しておりますが、その超伝導の開発や生産技術は今のところ50年代の科学者の見識からすればかなり遅滞しております。
さて、いろいろと書いてきましたが、今日のところはここでおしまいといたします。
次回では宇宙戦闘艦を実際に設計するにはどうすればいいのかを数式を交えて検証していくつもりでいます。
それでは
- by hoshik
- at 22:11