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  • 序文

2009年03月29日

緊急時における宇宙での生存

 もし地球において宇宙船が難破して漂流した場合、故障の度合いにもよりますが航空機による発見や付近の船による発見という偶然性があり、さらに人工衛星によるナビや監視衛星による位置把握が可能な時代となったこともあり、実際に救助するときの困難を別にすれば発見は帆船時代に比べるといくらか余裕があると思われます。
 ですがもし宇宙航行の途中に機関が不調に見舞われた場合、いかにして発見され救助されるのでしょうか。
 今回は宇宙での救難活動について考えてみます。
 
 ①発見と確認
 宇宙船がもし通信不能に陥り、さらに自力での宇宙基地帰還が不可能になった場合、まず救難する船に発見されなければいけません。
 今のところ、宇宙観測で活躍している宇宙望遠鏡はとてつもなく遠い宇宙を見渡せる機能があると思われるのですが、それはあくまで自ら光を発している恒星の映像を拾っているのです。
 つまり今のシステムでは太陽光線への反射率が低ければ発見はその分困難になります。ですが現在の技術では75万km先の隕石を検知することが可能とされているので、うまく行えば地球近傍から月までの軌道の2倍の距離で漂流したロケットを発見できることになります。
 さらに宇宙船に航路を進むための計画表を当局に提出しておけば、軌道を外れた場合でもある程度の精度で軌道予測が可能となりえます。
 
 ②救難
 宇宙での接合とは相対速度をゼロにした瞬間には接近しているということであり、漂流している宇宙船に近くの宇宙船が寄るには速度の向きをまずあわせ、そして加速か減速、あるいはその両方を行うことで接近を試みなければいけません。
 ですがこれがもし天体近傍であるならば、天体周回軌道に乗ることもありうるので、会合は難しくなります。
 一般的な宇宙の軌道において、周回軌道の向きを変える行為は燃料の消費が大きく、あまり好まれません。さらに重力の影響により速度を上げればその分地表からの高度が上がってしまうので、引力圏内での軌道上での会合では特殊なアルゴリズムを解いて接近ををおこなわなければならないのです。
 仮に漂流している宇宙船の場合ではそのままアルゴリズムを適用することは可能ですが、もし加速している状態、つまり機関が暴走している場合にはそのアルゴリズムは適用しづらくなり、そのばあいの軌道調節方法は現代でも研究中です。
 
 ③救難を待つ間に何を行えば良いのか
 漂流した宇宙船の側ではどういう対策をこうじられるのでしょうか。
 まず酸素の確保と、居住区間の密閉が行わなければ危険です。
 宇宙ごみがぶつかって不調になった場合などでは船に穴が開いていることも考えられるため、密閉できる区間に避難を行い、酸素をできるだけ確保した後に2酸化炭素などの元素を極力排除できるようにエアロックなどを利用することが考えられます。酸素があっても2酸化炭素の濃度が濃くなれば精神的に不調になるためです。もしエアロックがない場合は酸素を封入している瓶を使って吐いた空気を封入しておくべきかと思います。
 次に食料ですが、これはできるだけチューブから吸いだせるものが良いと思われます。なぜならばもし大量の食品をひとつのパックにしたものがあった場合、いったん封を切ってしまうと食べつくさなければならず、食べ残しの水分や油分が宙に散乱することになりかねません。さらに言えば腐敗などの心配もありますので衛生上、密封できるチューブに入っている少量が入っている食事をたくさん用意しておくべきでしょう。
 水も同様にチューブに小分けされているものを飲みたいところです。チューブ状のものに言える事ですが雑菌は口付けた場所から繁殖することが多いためです。
 一番の問題は排泄です。
 緊急事態でトイレがない場合、それは寿命すら縮めかねない問題に発展します。
 便などはまだ大丈夫としても、尿となれば排泄した瞬間に球体となって周囲を漂うことになります。長期間でしかも大人数になればその量は馬鹿にならず、一人当たり1日で1kgに達するはずなのでその液体が人数分の球体となり、あるいは球体が結合してより大きな球体に変わって生存者を脅かします。球体になった液体はそのまま生存者へ襲い掛かり、もし顔面からあたれば吸引機能がない限り液体がまとわりついて溺死してしまうのです。
 これを避けるには携帯トイレなどで尿をゲル化するか吸引機で容器に溜め込むかの方法しかないでしょう。
 これらを総合して考えると、まず必要なのは
 
 ①密閉された空間
 ②吸出し式の容器に入った食料 
 ③密封できる容器
 ④携帯トイレとそれに準ずるもの

 この4つが必須です。ひとつ欠ければ生存に対して極端に不利な状況になりかねません。
 換気機能が使えるならば2酸化炭素の問題は何とかなるかとおもいますが、排泄になるとかなり厄介になるので、宇宙船の乗員は緊急時に使う物資をひとまとめにしたものを携帯しておくべきか、あるいは頑丈に作った密閉できる空間にこれらの物資を備え付けて迅速に乗員が入れるようにしておくべきと思います。
 

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