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  • 序文

2009年04月05日

衛星の再使用

 人工衛星の寿命を決めているのはひとえに軌道維持の時間と姿勢制御が行える時間でしょう。人工衛星の回る軌道ではわずかながら大気が残っており、それが軌道速度への抵抗につながって速度が落ちてると同時に軌道高度も落ちていくのです。そして人工衛星は目的こそ違えども地球をはじめとする目標に対して一方向に向いていなければならず、それを制御しなければ衛星は使用不能に陥ります。
 今回はそれを防ぐ対策とその結果どれだけの利点があるかを考えて生きたいと思います。
 
 ①衛星を再利用するための手段
 衛星の軌道を修正したり姿勢を制御するには電気推進が基本といえそうです。
 電気推進とはイオン化した推進剤を電極の作用により加速させる方式です。
 電気推進は物を動かす力が化学ロケットエンジンに比べると劣りますが、速度の面では比較的高く設定できます。さらに推進剤は必要ですが速度をかけやすいので化学ロケットに比べれば加速に使う推進剤と速度の比率は比較的大きくできます。
 このことから、電力をまかなえる衛星であれば電気推進で軌道速度を変更させることができそうです。
 そこで、衛星の復旧においてはまず衛星に電気推進機器を装備させることが重要だと思います。
 小型であればはずみ車をつかいその反動で衛星を動かす機構を備え付けるのが適切と思います。
 この2つの技術は近年実用化しており、開発の面では問題がなさそうです。
 ですが電気推進でも電力や推進剤を必要としており、はずみ車でも電力は必要です。
 これらを調達する手段を考えて見ましょう。
 通常では衛星修理はスペースシャトルが適任とされていました。ですが近い将来においてはスペースシャトルが引退し、次世代のロケットが部分的再使用の宇宙船になる予定です。
 
 ②タグボートと宇宙メンテナンス施設
 宇宙タグボートとは宇宙空間のみ活動範囲として、さまざまな宇宙物体を曳航できるロケットに付けられるもので、ソ連が宇宙ステーション計画の中でその存在を考えています。
 メンテナンス施設は人工衛星やタグボートの推進剤を貯蓄できる設備および修理の人員、そして宇宙生活設備を備えた施設としておきます。
 今のところ、宇宙滞在を想定した施設は4種類ほどあります。最初の有人宇宙ステーションである「サリュート」、本格的な実験設備や観測設備を満載した「ミール」、サターンロケットで一気に打ち上げた100トンの質量もある「スカイラブ」、現在稼動している「ISS」です。
 これらですが設計の主眼は宇宙での実験であり、本格的に宇宙空間での作業を行うものとはいえなさそうです。さらにこれらの維持費も高額でした。
 ですが、もし仮に宇宙空間での衛星再使用計画が進められ、月1回に連絡や物資の運搬を行うロケットを打ち上げたとして、その作業が月間の人工衛星打ち上げと施設維持費や建設の費用より安上がりにおさまれば宇宙事業として維持できそうです。
 
 ③構想として
 有人の宇宙設備には当然さまざまな物資が必要になります。
 そのため費用を安く抑えてさらに運搬質量の増大を期待するため、施設の無人化を行いたいところです。
 実際の人工衛星維持作業はリモコン動作の宇宙タグボートに行わせ、メンテナンス施設もタグボートのや自身の修繕、そして中規模な人工衛星修理作業をリモコンで行えるようにしたいものです。
 地球からの施設などの管制は船を使い、死角を作らずに常時連絡を取れるようにしておきます。
 そしてタグボートが人工衛星の修理や推進剤補給を行い、制御が利かなくなった衛星を回収して主低の軌道に放出させます。

 ④利点
 このような宇宙事業を行うメリットとしては宇宙への打ち上げ回数を整理することで費用を削減させることでしょう。これにより企業は1度の打ち上げを行えば定期的に何度でも修理を行え、現用に耐えうる衛星を新型に更新する必要もなくなります。


 人工衛星のリサイクルは副次的効果として宇宙の有人滞在が行える可能性や故障した人工衛星が宇宙ごみになることも避けられます。
 ですが新しい宇宙船が開発され、より手軽に宇宙を行き来できるようになれば人工衛星の廃品回収も簡易化縮小化されていき、廃れると思います。
 ですがまだ宇宙が遠い空にあるこの時代、まだリサイクルという概念に価値があるような気がします。
 
福梅本舗