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  • 序文

2009年05月05日

宇宙往還機に有利な条件 Ⅱ

 宇宙往還機は少しだけ現実と照らし合わせてみるとコスト軽減の目的で建造しても維持費が思った以上に高くついて信頼性の面でも難がある設計であることが浮き彫りにされていきます。
 それでは宇宙開発において地球から宇宙までの航路を全面的に使い捨てロケットに絞るべきなのでしょうか。
 確かに一部の使い捨てロケットは長く使われただけあり確実に宇宙まで物資を運び込むことを可能にしています。ですがそれらのロケットではおこないづらいミッションも存在します。
 たとえば、人工衛星を地球まで回収する任務です。これはほぼ宇宙往還機の独壇場であり、現用ロケットにはできない芸当とされています。それはひとえに使い捨てロケットに搭載する人工衛星回収用の機器が作られていないことがあげられると思われます。
 使い捨てロケットによって人工衛星を地球まで回収するには、大気圏に突入する際の熱防御機構や安全に大型機械を下ろせる機構が必要になってくるわけです。
 ですが、もう一度宇宙往還機の航路をかんがみてみると、使い捨てロケットに積み込むような機器を開発運用するのはあまり意味がありません。
 人工衛星を回収するには軌道変更エンジンをつけて打ち上げ軌道から大気圏突入軌道に乗らなければいけませんし、人工衛星を高温化した大気に触れさせない熱防御も必要です。ですがそれを備えているものはもはや宇宙往還機の資質を備えています。ただ打ち上げに使い捨てロケットを使うかどうかだけです。ですが現にロシアのブランでは強力なロケットで宇宙往還機を打ち上げていますので、衛星回収機器を「宇宙往還機ではない」とくくるのは無理なのかもしれません。
 
 そして、宇宙往還機が潜在的に秘めている可能性が「着陸しても再び飛行を開始する」ところです。
 使い捨てロケットの場合、文字通り打ち上げたあとは使い捨てるために着陸が一度くらいしかできません。
 ですが宇宙往還機の原理では燃料さえ整えば再度フライトミッションを続けることができるということです。
 つまり、一時的に着陸しても機能を損失しない点で、燃料さえあれば他天体に着陸と飛行を繰り返して最後に地球の大気圏に突入するということが可能なわけです。
 
 宇宙往還機とは潜在的に天体間定期便の役割をこなせることができるというわけです。
 ちなみに現用の宇宙往還機とされているものは半再利用式という区別がなされており、今のところ完全再使用型の宇宙往還機は実用化されていません。

 すみれ人形、見ましたか